変形性膝関節症の治療方法

日常生活指導

膝関節に負担をかけない生活を指導します。具体的にはしゃがみこみ、和式トイレ、長距離歩行、階段昇降などを可能な範囲で避けて頂き、エレベーターなどの使用をお勧めます。

体重コントロール

変形性膝関節症進行の大きな要因は肥満です。自己肥満度指標であるBMI (body mass index) = 体重[kg] ÷ ( 身長[m] × 身長[m] ) を自覚して頂き、減量を指導します。BMIの正常値は20-24とされています。

内服治療

一般的に非ステロイド性抗炎症薬などの鎮痛剤や湿布の投与が行われています。
鎮痛剤について現在医学の進歩に伴い多くの種類の薬剤を使用することが可能となりました。
コンドロイチン酸、ヒアルロン酸などのサプリメント内服効果の確実性は現在までに明らかではありません。

注射治療

ステロイド剤やヒアルロン酸の注射治療が行われます。
ヒアルロン酸は軟骨保護剤であり、膝の変形が強い患者さん、腫脹が持続する患者さんに膝の変形進行予防のために用いられます。すぐには効果は認められませんが、数回続けることにより症状の軽快が得られることが多く認められます。

リハビリ治療（理学療法）

痛みを軽減するために膝関節の可動域練習や、姿勢保持・動作時の膝関節への負荷を減らすために筋力をつけるトレーニングを指導します。
疾患や個々の患者さんの状態に応じて、必要な機能は変わるため初回リハビリの際に身体機能の評価や日頃の動きについてなど問診を実施し、それを基に治療を進めていきます。

可動域練習

膝関節は痛みがでて動かさなくなると伸びなくなったり、曲げられなくなったりします。その様にならないためにも専門のリハビリ指導により関節が固まらないように訓練することも大切です。

また膝関節が動かなくなると、腰に負担がかかり、こちらも悪くなってしまうことを多く認めます。患者さんの中には膝関節だけでなく、腰の手術もしなければならない患者さんも見えます。その様にならないためにも他の関節を一緒にケアしておくことが大切です。

筋力トレーニング

膝関節を伸ばす筋力の低下が進むと膝関節の変形が進行します。そのためにもプール内歩行やチューブトレーニングなど専門のリハビリ指導を受けられることをお勧めします。
当院ではリハビリでの筋力トレーニングの指導をしています。

また姿勢が崩れると膝関節にかかる負担が大きくなります。姿勢をよくするためのトレーニングも指導します。

装具療法