肩の痛みでお困りの方へ

shoulder

肩の痛みの症例

この様な症状があると
肩関節をひどく痛めている
可能性があります

  • じっとしていても痛い
  • 夜寝ているときも痛い
  • 腕を挙げると痛い
  • 挙げられるが力が入りにくい
  • 背中に回すときに痛い
  • 抜けそうな感じがする など

正常な肩の構造

正常な肩の構造 1
正常な肩の構造 2

肩甲上腕関節

肩甲上腕関節は肩甲骨と上腕骨で構成される球関節で多軸の関節です。小さな関節窩に対して大きな関節頭を持つ高い自由度と不安性を持つ関節です。

第二肩関節

烏口肩峰靭帯、肩峰からなるソケット状の烏口肩峰アーチと上腕骨頭から構成される機能的関節です。

関節包

肩関節包とは肩甲上腕関節を上方、前方、下方、後方をぐるっと一枚の袋のように肩関節を覆っている組織です。この関節包の内面には滑膜があり、骨と骨の運動を円滑にするための関節液が貯留されています。

滑液包

肩峰下滑液包というのは、肩の先のところにある肩峰と上腕骨の間にあるもので、中に液体の入った袋状の物質です。骨と筋肉の間の摩擦を減らす役割をしています。ここが肩を挙げた時に挟まることで痛みが生じる原因となります。

腱板

棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋からなり、4つの筋肉が上腕骨頭を包むように着いています。肩をスムーズに動かすための筋肉です。

肩の痛みの原因・代表的な疾患

肩関節周囲炎(四十肩、五十肩:肩峰下滑液包炎、三角筋下滑液包炎、石灰沈着性腱板炎、上腕二頭筋長頭腱炎など)

肩関節周囲炎

症状

肩関節が痛み、関節の動きが悪くなります(運動制限)。動かす時に痛みがありますが、あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなってしまいます。腕を上にあげたり(髪を整える・洗濯物を干す)、腕を後ろに回したり(服を着替える・エプロンを付ける)することが不自由になることがあります。症状が強いと夜に寝れなくなるほど強い痛みが見られます。

病態・原因

中年以降、特に50歳代に多くみられ、その病態は多彩です。関節を構成する骨、軟骨、靱帯や腱などが老化して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)。

腱板損傷

腱板損傷

症状

40歳以上の男性(男62%、女38%)、右肩に好発します。発症年齢のピークは60代です。肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由です。 運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。五十肩と違うところは、拘縮、すなわち関節の動きが固くなることが少ないことです。 他には、挙上するときに力が入らない、挙上するときに肩の前上面でジョリジョリという軋轢音がするという訴えもあります。

病態・原因

腱板断裂の背景には、腱板が骨と骨(肩峰と上腕骨頭)にはさまれているという解剖学的関係と、腱板の老化がありますので、中年以降の病気といえます。明らかな外傷によるものは半数で、残りははっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で、断裂が起きます。男性の右肩に多いことから、肩の使いすぎが原因となってことが推測されます。断裂型には、完全断裂と不全断裂があります。若い年齢では、投球肩で不全断裂が起こることがあります。

主な治療方法

治療は主に保存療法と手術療法に分けられます。保存療法にて症状が改善されず、日常生活に支障を来たす様な場合には手術療法の適応となります。

保存療法

注射治療、内服治療やリハビリテーションを行います。
殆どの患者さんで手術をせずに治療することが可能です。ただし、肩関節が固まってしまっている患者さん(拘縮)の場合には数か月以上のリハビリテーションが必要となることがあります。

注射治療

注射治療

注射治療としてはステロイド剤やヒアルロン酸の注射治療が行われます。
数回続けることにより症状の軽快が得られることが多く認められます。

リハビリテーション

リハビリテーション

肩の状態によって痛みが強ければ安楽姿勢の指導、痛みが落ち着いて動きを良くするためには肩関節の可動域練習、自宅での自主トレーニング方法を指導します。

手術療法

腱板縫合術凍結肩授動術など

リハビリテーションなど保存的治療で数月程度経過を見て効果が得られず、日常生活動作に使用を来たす場合には手術治療をお勧めします。手術治療が必要と考えられる場合には信頼できる専門病院へ紹介させて頂きます。