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股関節痛の原因となる病気

変形性股関節症の分類はその原因が明らかでない一次性と先天的または後天的な関節疾患、外傷など明らかな原因による二次性とに分けられます。わが国では、その原因の殆どが二次性であり先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全といった股関節の生まれつきの形成異常が原因となります。

 

 

臼蓋形成不全と先天性股関節脱臼

正常な股関節は大腿骨頭が骨盤の臼蓋にはまり込んで形成されます。骨盤の骨(臼蓋)は大腿骨頭をほぼ全体を覆って体重を支えています。日本人にはほかの国と比べ骨盤の臼蓋(股関節の屋根)の不完全な発育のため大腿骨頭の覆いが少ない人が多く見られます。このような状態を臼蓋形成不全といいます(図1,2)。
体重が股関節の浅い覆いに集中するため、股関節が不安定となりガクついて軟骨が早い時期より磨り減り始め関節が壊れ始めてしまいます。特に臼蓋形成不全は女性に多く見られます。また生まれつき股関節が脱臼・亜脱臼している先天性股関節脱臼という人もいます。原因は不明ですが遺伝などの影響も考えられています。そのため親戚縁者で変形性股関節症の方が見える方で股関節の痛みがある方は、早めに専門医の診察をお勧めします。
XP線画像の計測にてCE角が10度以下、AHIが60%以下の臼蓋形成不全の場合は変形性股関節症が進行する可能性が高いため、後述する臼蓋回転骨切り術などで臼蓋被覆を改善する手術が必要となります。(図3)

 

 

大腿骨頭壊死症

多量のステロイド注射、アルコール多飲、原因不明などにより大腿骨頭が壊死して痛みが起こる病気です。壊死部は一度発生すると長期間治癒は困難です。壊死した部分の範囲が大きいと、潰れて骨頭に変形が生じて痛みの原因となります。病気が早期の場合には骨切り術などを行い、大腿骨頭が潰れるのを予防します。進行し骨頭変形が高度になると人工関節置換術を施行します。


 

関節リウマチ

関節リウマチの病期が進行すると炎症によって股関節の関節軟骨が消失してしまい、股関節の変形が進み痛みが出現します。同時に数箇所の関節炎が起こることもあります。近年生物学的製剤など薬剤の進歩で、関節リウマチ治療が改善し人工関節を受けなければならない患者さんが減少しつつあります。


 

股関節唇損傷(FAI)

股関節の縁(関節縁)に付着する関節唇(プラスチックタッパーのゴムパッキンに例えられます)が損傷すると、ひねり動作や深く股関節を曲げこむ際に痛みやひっかかりが生じます。サッカー選手や大工など日常で股関節を曲げ込む動作が多い方になりやすい病気です。治療は保存的治療が主で殆どの方が軽快しますが、症状が続く場合には股関節鏡などにて、関節唇部分切除や縫合術などが行われます。